北海道東日本パスとは?
概要
北海道&東日本パスは、7日間連続でJR東日本およびJR北海道のすべての普通列車に乗り放題となるきっぷです。JR線以外にも青い森鉄道線、IGRいわて銀河鉄道線、北越急行線の普通列車も利用可能です。
お値段は大人1名11330円なので、1日あたり約1600円という破格とも言える値段設定になっています。
注意点
追加料金を払えば一部区間で北海道新幹線に乗車可能
北海道&東日本パスとは別に特定特急券を購入することで、新青森~新函館北斗間の新幹線に乗車(普通車指定席の空席)することもできます。
有効期間が限られている
このきっぷは年中使えるというわけではなく、春季、夏季、冬季のみ使用可能です。
以下に2023年の例を示しますが、発売期間が変更になる可能性もありますので、ご自身で公式の発表を確認されることをお勧めします。
発売期間 | 利用期間 | |
春季 | 2/20~4/16 | 3/1~4/22 |
夏季 | 6/20~9/24 | 7/1~9/30 |
冬季 | 12/1~翌年1/4 | 12/10~翌年1/10 |
最近では北海道線特急オプション券が設定されていない
例年、北海道&東日本パス北海道線特急オプション券が発売されていたのですが、2024年の春や夏では設定されていません。このオプション券を別途購入すると、JR北海道管内の特急の普通車自由席に1日乗り放題になるのですが、このオプション券が発売されないと北海道の長距離移動は正直厳しくなります。
どうしても北海道の特急に乗りたい場合、えきねっとで割引きっぷを購入するなどして乗車すると出費を抑えることができます。
特急メインで北海道を一周したいという場合、北海道フリーパスというきっぷもあるのでこちらも検討してみてください。
本記事では旅行記を紹介しますが、少々特殊な例になりますので参考程度にご覧ください。
特例区間が設定されている
北海道&東日本パスでは、基本的に特急には乗車できませんが、一部区間で特急に乗車できる特例が設定されています。
路線名 | 区間 | 利用可能設備 |
奥羽本線 | 青森~新青森 | 普通車自由席 |
石勝線 | 新得~新夕張 | 普通車指定席の空席 |
室蘭本線 | 東室蘭~室蘭 | 普通車指定席の空席 |
青春18きっぷと比べると?
どちらも普通列車乗り放題というコンセプトのきっぷですが、違いはどうなのでしょうか?
利用可能エリア
- 北海道&東日本パスはJR北海道およびJR東日本(青い森鉄道線、IGRいわて銀河鉄道線、北越急行線を含む)
- 青春18きっぷはJR全線(特例で青い森鉄道は制約付きで利用可能)
青春18きっぷではIGRいわて銀河鉄道と北越急行線は利用できません。
利用期間
- 北海道&東日本パスは連続する7日間
- 青春18きっぷは有効期間内であれば好きな日程で5日分利用可能
青春18きっぷは利用する際に融通が利き、日程もさることながら人数も調整できます(複数人で利用可能)。
どちらも春季、夏季、冬季にのみ設定されていますが、利用可能な日程については大差はないものの細かい違いがあります。若干北海道&東日本パスの方が有効期間が長くなっています。
値段
- 北海道&東日本パスは7日間連続で11330円(約1600円/日)
- 青春18きっぷは5日分で12050円(約2400円/日)
どちらも破格とも言える値段設定ですが、1日あたりの料金は北海道&東日本パスに軍配が上がります。
北海道新幹線の利用可能区間について
北海道&東日本パスでは、前述の通り新青森~新函館北斗間で北海道新幹線が利用可能です。
一方、青春18きっぷでは別途オプション券を購入することで、奥津軽いまべつ~木古内間のみ新幹線が使えて、木古内~五稜郭間は道南いさりび鉄道線に乗車する必要があります。
つまり、北海道&東日本パスの方が圧倒的に楽に本州と北海道の間を移動できるというわけです。
自動改札
北海道&東日本パスは自動改札を利用可能ですが、青春18きっぷは利用不可です。
総評
北海道方面あるいは東日本方面に向かう際は、北海道&東日本パスを使った方が様々なメリットがあります。
一方で、西日本方面に向かう際はそもそも青春18きっぷしか利用できないので、青春18きっぷ一択です。
旅行記
実際に北海道&東日本パスを使って北海道を一周した様子をまとめました。
1日目
7日間で仙台を出発して北海道を一周して仙台に帰ってくるという計画です。初日は仙台から函館を目指します。
基本的に普通列車しか使えないので、1日に移動できる距離は限られてきます。仙台から青森までは普通列車でひたすら北上するのみです。
北海道&東日本パスはIGRいわて銀河鉄道線と青い森鉄道線を使うことができるので、約8時間で仙台から青森まで行くことができます。
青春18きっぷではIGRいわて銀河鉄道線を使うことができないため、仙台から青森まで行くのに秋田周りのルートにするか別途きっぷを購入してIGRいわて銀河鉄道線に乗るかのどちらかになります。
ちなみに、盛岡から八戸まではIGRいわて銀河鉄道線で行くのと新幹線で行くのはほとんど値段が変わらないため、新幹線を使ってしまうのも手です。
さて、新青森から新函館北斗までは北海道新幹線を使います。別途4000円の特定特急券を購入する必要があります。
普通車指定席の空いている席に座ることができるのですが、ほとんど人が乗っていないため実質的に自由席みたいなものです。
朝に仙台を出発して函館に夕方ごろ到着しました。函館と言えばやはりこの夜景ですよね!
夜の赤レンガ倉庫。いい雰囲気を醸し出しています。
函館で宿泊したのがこちらのホテルパコ函館(現在はホテルグローバルビュー函館)さんです。
1人旅なのですが、もったいないくらい広くて驚きました。ホテルというよりマンションの1室みたいな感じで、キッチンも備わっています。
2日目
2日目は函館観光…のはずだったのですが、この日は体調が悪かったので五稜郭のみを観光しました。
もったいない気もしますが、7日間もの旅程なので、ここでは体調の回復に専念します。
函館山からの夜景ももちろんきれいですが、五稜郭タワーから見る函館市街も負けていません。
3日目
体調は無事に回復し、3日目は函館から札幌を目指します。あえて特急を使わず、普通列車のみで移動しました。
函館から長万部までは、こちらのキハ40系に乗車します。
特急で1時間半ほどのところを、普通列車で3時間ほどかけてゆっくり移動します。
長万部では次の列車まで約2時間ほど待ちます。北海道は基本的に都市部以外は接続が悪く、長時間待たされることも普通にあります。
長万部から小樽まではこちらの新型気動車に乗車します。途中倶知安で乗り換えです。
小樽で下車して少しだけ観光しようと思います。
こちらが有名な小樽運河です。本当は夜に訪れたかったのですが、時間の都合で夕方になりました。
小樽の街を散策して、札幌を目指します。小樽から札幌までは快速エアポートが走っているので、30分ほどしかかかりません。しかも快適。
夜の札幌駅。やはり大都会なだけあって駅ビルが立派です。
こちらが札幌で泊まった「JRイン札幌」さんです。シンプルな客室で快適でした。
3日目以降は札幌を拠点にして、道東や道北をめぐります。
4日目
4日目は大移動!札幌から釧路、網走を経由して札幌に戻ってくるというハードスケジュールです。
この行程だとさすがに特急を使わざるを得ないのですが、このときはたまたまキャンペーンでこちらのきっぷを破格で購入することができました。
北海道&東日本パスとは全く関係ないきっぷで、JR北海道の在来線全線が特急の普通車自由席を含めて6日間乗り放題になります。現在は発売していません。
なぜこのきっぷを購入したかというと、一応特急のオプション券も購入できたのですが、3日以上特急を利用する予定がある場合(つまりオプション券を3枚以上購入する場合)、今回購入したきっぷの方がおトクになるという計算になるからです。
最近は特急のオプション券すら購入できないということなので、不便になってしまいました。
特急おおぞらに乗って札幌から釧路を目指します。約4時間半の長旅です。
釧路にはこちらのノロッコ号が停車していました。釧路湿原を観光する際におすすめです。
今回はこちらには乗車せず、普通列車の網走行きに乗車します。網走までは約3時間です。
遠くに知床半島が見えます。手前の海はオホーツク海です。
網走から札幌まではこちらの特急オホーツクに乗車します。
なんと5時間以上もかかるらしいのですが…夜なので車窓も何もありません笑
ただひたすら暗闇を走り続けるという感じです。札幌につく頃にはもう深夜になっていました。
5日目
まだまだ旅は終わりません。5日目は札幌と稚内を往復します。
もちろん特急を使います。もはや修行ですね笑
札幌から旭川まではこちらの特急ライラックを使います。約1時間半の乗車です。
旭川で山頭火のラーメンをいただきました。めちゃめちゃおいしかった!
旭川から稚内までは特急サロベツに乗車するのですが…ここからが長い。約4時間弱もかかります。
やっとの思いで稚内に到着したのですが、今日中に札幌に帰らなくてはなりません。
稚内での滞在時間、なんと滞在時間20分笑
記念に写真を何枚か撮って札幌に帰ります。乗車するのは特急宗谷で、先ほどの特急サロベツの折り返しになります。
稚内から札幌まで5時間以上かかりました。何なんだこの行程は…
6日目
6日目は札幌観光です。
有名な観光地をひたすら回って、気が付けば日が暮れていました。
札幌駅のJRタワーからは札幌市街地の夜景を楽しむことができます。
こちらが有名なルタオのチーズケーキです。本当においしかったです!
7日間の旅もいよいよ終わりが近づいてきました。
7日目
7日目は札幌から仙台まで一気に移動します。
まずこちらの特急北斗に乗車して新函館北斗まで移動し、新函館北斗から新青森までは北海道新幹線、新青森から仙台までは普通列車で移動するという流れです。
こちらもだいぶ長距離ですが、もう慣れたものです笑
青森までは特急と新幹線なので割と快適に移動できましたが、青森から仙台は普通列車なので苦行でした笑
仙台に着く頃にはもうすっかり夜になっていました。
まとめ
旅行記を見ていただければわかると思いますが、7日間とはいえ北海道を一周するのには相当体力勝負になります。
しかし、値段はまさに破格なので、使ってみる価値は十分あると思います。
7日間の旅は必ずいい思い出になるはずです。皆さんもぜひ北海道&東日本パスの利用を検討してみてください!
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