【東北大→京大院】京都大学大学院 情報学研究科 社会情報学コース 合格体験記

勉強

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はじめに

このたび、2025年4月期の京都大学大学院 情報学研究科 社会情報学コースの合格をいただきました!

多くの方の参考になればと思い、本記事では合格までの道のりを書いていこうと思います。

きっかけ

現在私は東北大学工学部の電気情報物理工学科に所属しており、医療工学を学んでいます。この学科に入学したのは、電気情報系の科目と医療系の科目の両方を学ぶことができることが魅力的だったからです。

しかし、学年が上がるにつれてより医療現場に近い場所で研究がしたいという思いが強くなっていきました。

大学院入試を迎えるにあたって、前々から自大学にこだわらず他大学への進学も視野に入れていました。情報収集を進めていく中で、医療情報学の研究室が京大の大学院にあることを知ったのがきっかけになりました。

京大の入試日程は東北大のそれよりも3週間ほど前にあり、どちらもTOEICのスコアが利用可能であることも受験する決め手になりました。滑り止めとして東北大を受験できるのは安心でした。

一応京大以外では東大や東工大も候補には上がっていたのですが、ピンとくる研究室がなく、そもそも東大の入試日程が東北大と丸被りでかつTOEICが利用できなかったこと、倍率が高いこともあり、断念しました。

入試の概要

京都大学大学院 情報学研究科 社会情報学コースの入試では、以下の4科目の合計点で合否が判断されます。

  • 英語(150点)
  • 情報学基礎(150点)
  • 専門科目(300点)
  • 口頭試問(100点)

英語はTOEICなどの外部試験のスコアを事前に提出します。

入試は1日目と2日目に分かれており、1日目に情報学基礎と専門科目の筆答試験が行われます。2日目に口頭試問が行われるのですが、1日目の筆答試験の成績が悪いと足切りを食らいます。

各科目の対策

目標点

先輩方のブログを参考に、大雑把に目標点を設定しました。

  • 英語(150点)→9割
  • 情報学基礎(150点)→8割
  • 専門科目(300点)→8割
  • 口頭試問(100点)→7割

英語

基本的にほぼ全員がTOEICのスコアを提出します。

説明会で聞いた話によるとTOEICは最低でも700点は必要とのことでした。私は英語が苦手というわけではないので、800点超えを目標に勉強しました。

TOEICといえばこれですよね。私は金フレの800点台までの単語をひたすら覚えるという対策をしていました。

文法の対策はあまりやった記憶がなく、リスニングの対策はYouTubeの動画を流す程度だったと思います。

結果的に3月の試験で800点を超えることができました。リスニングはもうちょっと取れた気がしますが、これ以上対策する気もなかったのでこのスコアを提出しました。

一応入試当日にスコアを提出することもできるのですが、TOEICはなるべく早い時期に高得点を取っておいた方がいいと思います。

先輩方の得点開示を見る限り、TOEICは900点前後で満点扱いになるようです。英語に自信のある人は900点を目標にしてもいいかもしれません。

情報学基礎

入試で最も重要と言ってもいい科目です。

例年合格者は8割~9割を取ってくるので、私も情報学基礎の対策には力を入れました。

募集要項に書いてある通り、情報学基礎はこちらの教科書をもとに出題されます。かなり分厚く、内容も濃いので意外と対策するのが大変でした。

しかし、頻出分野は過去問に取り組めばある程度見えてくるので、どの分野を重点的に対策すべきかはおのずと見えてくるはずです。

近年は頻出分野以外からの出題も増えてきているので、練習問題のみならず演習問題も含めて教科書を満遍なく取り組むことが大事だと思います(実際私が受けた試験では傾向が変わっていて焦りました)。

専門科目

どの研究室を志望するかによって、解く問題が変わります。私の場合は医療情報学の問題です。

情報学基礎とは違い特定の教科書から出題されるということではありませんが、こちらの教科書を一通り読むと医療情報学の基礎知識がつくと思います。

こちらの科目も過去問を分析して、頻出分野の問題には答えられるように対策しました。

ただ、この教科書には記載されていない初見問題が出題されることも多いので、日ごろから医療に関心をもち、幅広い知識を持つことが大事だと思います。

口頭試問

口頭試問については特に対策はせず、いかに分かりやすく志望説明書を作るかということを意識していました。

口頭試問は受験生が志望説明書について5分で説明する形式です。募集要項に書いてある通り、先生方が目を通すことを考えていかに分かりやすく作るかがカギになってくると思います。

志望説明書に形式の指定はないので、私はパワポをそのまま貼り付けるという形にしました。

記載した内容としては、志望動機、これまでの学修、卒業研究、入学後の抱負です。

過去問

過去問はオンラインで7年分入手しました。

傾向と対策が分かったので、過去問は丁寧に取り組んだ方がいいです。

時系列

3月

TOEICを受験し、800点を超えることができました。

この頃はTOEIC以外特に対策せずに春休みを満喫していました。

4月

京大と東北大の両方を対策しなければならないので、周りの人よりも早く対策を始めました。4月は東北大の対策をメインでやっていました。

京大の説明会が5月にあるので、飛行機と宿の手配を行いました。

研究室についてはそこまで忙しくなく、入試対策の時間は十分取れていたと思います。

5月

京大の説明会に参加し、モチベーションが高まりました。いろいろと情報を得ることができたので、参加してよかったなと思っています。

オンラインでも参加できたのですが、実際に足を運んだ方がモチベーションが高まると思い、思い切って対面で参加しました。

5月は研究室が忙しく、あまり対策はできていませんでした。

少し早いですが、8月の入試の日程に合わせて飛行機と宿の手配を行いました。

6月

6月に入り、研究室の活動が落ち着いてきたので京大の対策を始めました。

まずは教科書を一通り読み、大雑把に内容を掴むところから始めました。

この頃から東北大の過去問も解き始め、京大と東北大の対策をうまく両立していました。

7月

7月からは本格的に京大の対策に入りました。

まず過去問を解き、しっかりと分析を行ったうえでどの分野を重点的に対策すべきかを考えました。

7月はとにかくインプットとアウトプットを繰り返していました。7月が終わるころにはかなり知識が身に付き、問題も解けるようになりました。

8月

受験直前はできることが限られてくるので、知識の確認をひたすら行っていました。

入試が近づくにつれて不安が大きくなっていきましたが、不安を打ち消すのはやはり勉強だと思います。

入試本番(1日目)

午前中:専門科目

午前中は専門科目の問題を2時間で解きます。私の場合は医療情報学です。

本番では以下の問題が出題されました。

  1. 病院情報システム
  2. 医療分野における機械学習の効果的な利活用
  3. 前向き介入試験と選択バイアス
  4. CT画像に関する計算問題
  5. 病院情報システムのセキュリティ対策

私はこの中から1、2、4の3題を選択しました。専門科目の目標点である8割を超えるためには、3題すべてに解答しなければなりません。

幸いにも解けそうな問題が3題出題されたので、専門科目の手ごたえはよかったです。

午後:情報学基礎

午後は情報学基礎の問題を2時間で解きます。本番では以下の問題が出題されました。

  1. マシン語命令
  2. アルゴリズムとデータ構造(マージソート)
  3. プログラミング言語(Prolog)
  4. データベース
  5. アルゴリズムの解析と改良

今年の問題は今までと傾向が異なり、今までほぼ出題されていなかった3のPrologの問題が出たり、全体的に考えさせる問題が多かったりと、個人的な感想としては難化したと思っています。

はじめは1、2、5を解いていたのですが、5に取り組んでみると想定よりも難しく、思い切って1、2、4に変更して乗り切りました。

正直データベースの対策は十分と言えず、全体的にできた感触がなかったので試験が終わった後は絶望しました。

どうせ面接には通ってないだろうと思い、ホテルに帰った後は東北大の院試勉強をしていました。一応志望説明書は一通り説明できるようにはしておきました。

入試本番(2日目)

受験番号の貼り出し

面接が始まる前に、面接に進むことのできる受験生の番号が貼り出されます。

1日目の筆答試験の結果をもとに足切りがあるのですが、今年はなぜか約90人→約80人と、なぜか私を含めたほぼ全員が通過していました。

これはおそらくよっぽど筆答試験の結果が悪くない限り面接に進めたということでしょう。なぜかは分かりませんが、筆答試験であまり差がつかなかったのでしょうか?やはり私の感触通り難化したということなのでしょうか?

真相は不明ですが、とにかく面接に進めたということに驚きました。

面接の順番の発表

面接を受ける受験生はいったん大教室に集められ、担当の方が面接を受ける順に受験生の番号を黒板に書いていきます。

例年、社会情報学コースの面接は午前と午後に分かれており、噂によると成績順に午前から面接が行われるようです。もちろんこのことは明言されていないものの、ほぼ間違いないだろうと私は思います。

私はなんと午前中の上から11番目でした!80人中でこの順位なので、かなり高成績だったということでしょうか?

面接の形式は、基本的に「志望理由書を5分で説明せよ」というものです。しかし、先輩方のブログを見ていると、午前に面接があった人は「志望理由書を1分で説明せよ」という指示が出されたとの情報があり、もしかすると私もこれに該当するのではないか?と思いました。

午前中の11番目なので、対策する時間もなくすぐに会場に呼ばれました。

面接本番

名前を呼ばれて会場に入ると、大教室に教授陣がざっと40人ほど座っていて、こんな大勢の前で発表するの!?と驚きました。

肝心の指示ですが、やはり私の読み通り「志望理由書を1分で説明せよ」でした。

少しだけ質問があり、それに答えて面接が終了しました。ほんの数分だったと思います。

試験終了後

1日目は絶望しましたが、2日目の面接が終了した後はもしかしたら受かってるかも!と明るい気持ちで締めくくることができました。

関西を観光した後、飛行機で仙台に戻りました。

合格発表

たぶん受かってるだろうとは思っていましたが、さすがに合格発表前ともなるとソワソワしてきます。

結果はどうだったのかというと…

無事合格することができました!

院試から解放され、これ以上ない爽快感を味わうことができました笑

配属先の発表

合格発表から数日が経つと、大学から合格通知書が送付され、配属先が判明します。

なんと第一志望の研究室に配属されることが決まり、とても嬉しかったです!

得点開示

追記:得点が開示されました。

英語:132/150(88%)、情報学基礎87.5/150(58%)、専門科目275/300(91%)、口頭試問78/100(78%)、計572.5/700(81%)でした。

英語と専門科目で点数を稼げたのが大きいですね。ただ情報学基礎の点数がかなり低く、少し悔いが残る結果となりました。

試験を振り返って

良かった点

  • TOEICを早めに終わらせることができた
  • 京大と東北大の両方の対策をすることを踏まえ、早めに動き出すことができた
  • 試験本番であきらめず最後まで問題を解き切った

やはり早めに動き出すことができたのが勝因の1つかなと思います。結果的に、TOEICも院試対策も万全ではないものの、そこそこの結果を出すことができました。

悪かった点

  • 情報学基礎の対策をもっと満遍なくやっておくべきだった

これに尽きますね。

情報学基礎はどんな問題が出るかわからない以上、どんな問題が出題されても答えられるように抜けの無い対策をすべきです。たまたま私は今回の試験に合格できましたが、出る問題によっては合格できなかったかもしれません。

情報学基礎は高得点勝負なので、早い段階から対策するのをおすすめします。

私からのアドバイス

  • 早い段階から動き出す
  • 満遍なく対策をする
  • 最後まであきらめない

みなさんが院試に合格するのを心から願っております!

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Arrowさんは、私と同じく東北大から京大院へ進まれた方です。私は社会情報学コースですが、Arrowさんは知能情報学コースに合格なさっています。

外部生で知能情報学コースに合格するのはかなり難しい(倍率が4倍を超える)と思うのですが、実際に結果を出していてすごいなと思います。

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